前回の「フェーズ６」に続いて、世紀末ロードムービーの2本目「ザ・ロード」を観ました。

出演は、ヴィゴ・モーテンセン（ロード・オブ・ザ・リング）、シャーリーズ・セロン（モンスター）、ロバート・デュヴァル（ゴッドファーザー）、ガイ・ピアース（メメント、ハートロッカー）、モリー・パーカー、コディ・スミット＝マクフィー
なかなかのメンバーです
特にシャーリーズ・セロンは、元々はめっちゃきれいな人ですが、世界が荒廃していく世界で、身ごもり精神を病んでいく女性の演技はさすがです。


【ストーリー】
世界の終わりを旅する父と息子。父には息子が、息子には父が全てだった。
米作家コーマック・マッカーシーが、ピューリッツァー賞を受賞した同名ベストセラー小説を映画化した終末未来ロード・ムービー。

終末世界で、人間としての心を失わずに旅を続ける父子の苦難の日々を描く。
地球が原因不明の天災に見舞われ、不毛の地と化したアメリカ。
すべての動植物が死に絶え、文明も消滅。僅かに生き残った人間は、保存食を見つけて生き延びるか、餓死するかあるいは自殺するかしかなかった。

そんな世界に残された父（ヴィゴ・モーテンセン）と息子（コディ・スミット＝マクフィー）。生き残ったわずかな人々が互いを食らうという狂気の中でも、父は決して正気を失わず、息子に人としてのモラルを語り続け、ひたすら南を目指して歩き始める・・・。



重いわ！

父親（ヴィゴ・モーテンセン）が唯一の希望である息子を守りながら、ひたすら旅し続けます。
同様のいろいろな映画でもありますが、極限時に一番の敵は人間です。
この世界でも食べ物が究極にないので、人が人を食べます。

強者の家の地下には弱者が数名飼われ、ある晩一人が食糧とされます。
直接的な描写は少ないですが、重いです。



 そんな重い空気の中、主人公親子は、シェルターを見つけます。
そのシェルターには、食べ物がいっぱい！
散々空腹感だらけの貧しい映像ばかり見せられていたので、そのシーンでは見てるこちらの方も満たされた気になります。

しかし、平穏な時間も長くは続かず犬の到来から危険を察知した父親が、難を避けるべくリヤカーに食料を載せるだけ載せて、また旅立ちます。


途中、老人にあったり子供が熱を出したり、他の人に荷物を盗まれたり取り返したりします。
ストーリーはさほど凝ってないけど、映像が重苦しく、皆生きようとする必死さが伝わります。

そして、旅の途中父親は、息子に「火（たぶん道徳とか信念だと思う）を持って生きよ」と残し永眠につきます。
そのさみしい事さみしい事・・・



一人残された息子は、たまたま運よく通りかかった良い家族（ガイ・ピアーズら）に拾われ、旅を続けます。
おい！ラスト！

[0回]

ここんとこ近未来・崩壊・ウイルスといったキーワードの同じような映画「フェーズ６」「ザ・ロード」「ウォーカー」を立て続けに観ました。
その1本目「フェーズ６」。
みんな同じ設定なんで、どうせならちょろっとシーンかぶったりしてもええんやないかと思うぐらい。

原題は「CARRIERS」。
出演はクリス・パイン（スター・トレックやアンストッパブル）、ルー・テイラー・プッチ、パイパー・ペラーボ、エミリー・ヴァン・キャンプ。

【ストーリー】
治療薬もない致死率100％のウィルスが蔓延した世界。ほんのわずかの人間だけが生き残り、街はゴーストタウンと化していた。そんな状況の中で、ウィルスに感染せず生き残っていたお調子者のブライアン（クリス・パイン）と真面目で心優しい弟のダニー（ルー・テイラー・プッチ）の兄弟はあるルールを決める。

“生き残るためには感染者と接触しないこと”。

そして、2人はブライアンの恋人ボビー（パイパー・ペラーボ）とダニーの女友達ケイト（エミリー・ヴァンキャンプ）を連れ、アメリカ南西部の砂漠を車で走っていた。
 目的地は、幼い頃に訪れたメキシコ湾岸の人里離れたサーファービーチ。
最近は廃れて空き家だらけになっていたので、感染を逃れているかもしれないと考えたのだ。
そこでウィルスが沈静化するまで暮らし、人類の生き残りとして新たな世界を築くつもりでいた。

その道中に出会うのは幼い娘が感染した親子や、死を望む医師、防護服を着込んで生き残りを図る男たちなど、様々な人々。それらを振り切って先を急ぐブライアンたちだったが、次第に子供っぽい無邪気さは失われていく。そして、4人のうち1人が感染していることが発覚。
やがて彼らは、ウィルスよりも恐ろしいのは、お互いの心の中に潜む人間の本性であることを悟ってゆく。
彼らが直面する人間の本性とは？そして、絶望の先に待ち受ける悪夢のような結末とは……？


感想をいうと、地味、怖くない、噛まれない「28日後」かな？
決してつまらん訳ではないです。

なんの病気かわかりませんが、粘膜や血液から感染するそうです。
症状も早く出ますが、人を襲ったり気が狂ったりするわけではなく、身体にあざが出てきます。
そっからどうなるのかわかりませんが、カラカラに干上がってミイラ状態になります。

感染したら致死率１００％なんだけど、感染を防ぐための装備が普通のマスクだし、しょっちゅう外しています。

いろいろなレビューサイトにも書いてあるけど、本当に怖いのはウィルスの感染よりも恐怖と対峙したときの人間性という事を訴えたいのだろう的な映画でした。


見どころとしては、前半の感染者である女の子を薬があるといわれる施設のシーンがなかなかである。
男女4人のやり取りが多い中で、それらとは別の空間で絶望感と悲壮感が一番伝わるシーンかも。
今までの映画だったらここでバッドエンディングで終わると思う。







意外と頻繁に人と出会うし…

[5回]

「トレイン・スポッティング」「28日後」「28週後」「スラムドッグ＄ミリオネア」などなどオイラの好きな映画をガンガン作ってくれるダニー・ボイル監督の最新作「127時間」を観ました。


主役は、今ハリウッドでひっぱりだこのジェームズ・ブランコ（スパイダーマンのゴブリンJr）です。

【ストーリー】
一切身動きがとれなくなってしまった1人の男、生命の限界を迎えた127時間後に彼が下したある決断とは？
登山家アーロン・ラルストンが体験した実話を、ダニー・ボイル監督、ジェームズ・フランコ主演で映画化したサスペンスドラマ。
当時27歳だったアーロン（ジェームズ・フランコ）は、ユタ州の険しい谷へ1人でロッククライミングに行く。
その途中、信じられないアクシデントが起こる。落石事故で右腕を挟まれ、一切身動きが取れなくなってしまったのだった。
アーロンは携帯電話を所持しておらず、さらに悪いことに誰にも行き先を伝えていなかった。
そのまま5日間、空腹で衰弱したアーロンは、生と死の間で両親に見てもらうためのビデオメッセージを撮影。
だが、希望を決して捨てないアーロンは、生還するための唯一の方法として、ある究極の結論に達し・・・。 

昔ダウンタウン松本の壁に挟まったおっさんのコントをTVで見ましたが、比べもんにならんぐらい事は重大です。


始まってから30分ほどでジェームズ・フランコは早々に腕が挟まります。
そこからずーっと挟まりっぱなしですが、さすが監督に力量があるだけに退屈しません。



回想シーンや伏線などをうまく織り交ぜて上手に話を組み立ててあります。
そして回想シーンはやがて妄想シーンに変わっていきます。

↓こんな美人なハイカーおらんつーの



限られた持ち物、食べ物、水しかない中で最初のうちは元気なので、一生懸命岩をどかすため奮闘しますが、やがてなす術なく消耗し悲観していきます。
でもかなり陽気な性格です。

何日かすると雨が降ってきます。
どんどんどんどん降ってきて挟まっている地盤の割れ目に水が溜まっていきます。
口元辺りまで水位が上がってきた時、意を決して水中に潜り、最後の人暴れを試みます。
自然の脅威には自然の力を借りて脱出！なんとか車まで戻って元カノの家まで・・・


という妄想を見るまでに疲弊していきます。

初日から日を重ねるごとに衰弱していく主人公の様子と、考え付く限りの手段を講じるにもかかわらず、岩ひとつで人生が終わろうとする主人公の心理などもうま～く表現していると思います。
監督も役者もあっぱれです。

「この映画はどうやって終わるんだろう？」と思い始めたクライマックスも、安い映画と違って、たまたまだれかが通りすがったり、地震が起きて岩が外れたりはしません。
最後までハラハラドキドキします。
何となく見てるこっちの脈拍も上がって行く感じです。

【ラスト】
画像の下から激しくネタバレ ↓↓↓↓↓






ラスト、主人公は助かります。
でも岩はそのままです。

そうです。
主人公は命と引き換えに挟まった右腕を犠牲にします。

その光景がまたビリビリきます。
万能ナイフの小さい方の刃か何かのツールを右腕につき刺します。
そして一番太い神経を取り出そうとしますが、歯医者のドリルというかラジオの高音ノイズのような音が強烈に痛みを表現します。

太い神経を切り、挟まっていた右腕を切り離します。
見てる方も激痛です。
そして5日ぶりに岩から離れる事ができます。
ここでも記念撮影・・・

そしてまっすぐ帰る前に水を求めて片腕で崖を降ります。
泥水の水たまりに倒れこみ水分を取り込みます。

空腹、出血などによる衰弱で脱出できても、めちゃめちゃひろーい渓谷を戻るのは至難です。
フラフラになりながら死の淵をさまようかのようにただひたすら歩いていると！
たまたま親子3人のハイカーが通りかかり、助けを求め、きれいな水をもらい、救助を呼んでもらいます。

あり？
たまたま通ったね～
まあがんばったからいいじゃないか。

それからも片腕の先っちょをピッケルに変えたりして冒険を続けたんだそうです。
ちゃんと行先を伝えてからね。

[5回]